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便利な監督

大富豪のハワード・ヒューズが映画会社RKOを手に入れた時、
現場は混乱し、多くの作品が未完のまま残された。
そのうちの何作かをメル・ファーラーが最終的に完成させている。
その中の二作品、マカオとラケットを本年初めに観ることができた。

二作とも主演はロバート・ミッチャム。
フィルム・ノワール、モノクロの犯罪ものだ。

マカオs
マカオ (Macao 1952)  ロバート・ミッチャム  ジェーン・ラッセル

ラケットs
ラケット (The Racket 1951)  リザベス・スコット ロバート・ミッチャム 
他にロバート・ライアンが出ている

他にも数本手がけたらしいが、監督メル・ファーラーの名はクレジットされていない。
半世紀が経過した今でもだ。

洒落たひと皿をご堪能あれ

「Born to Be Bad」(生まれながらの悪女)って聞いたことがないなぁ…
DVDを観るまでそう思ってました。
Amazonの評価は良かったんですが、(評価とか当てにならないし)監督のニコラス・レイにも別に思い入れなかったし…
とこらが、観てみたら面白くて、傑作じゃないかと思いました。
どうもハリウッド公開時(日本未公開)にあの大富豪のハワード・ヒューズが手を加えて台無しにしたのを、DVD収録時にニコラス・レイ編集に近い形に戻したらしい。

J M R
左からジョーン・フォンテーン メル・ファーラー ロバート・ライアン
(ロバート・ライアンはメルと関係が深い役者さん。監督作に出たり、代役を引き受けてくれたり)

いわゆる悪女ものですが、ジメジメしたところが微塵もなくて痛快です。
ジョーン・フォンテーン演じるクリスタベルの悪女っぷりがカラッとしてて笑えます。
「風と共に去りぬ」のスカーレットと共通点がありますが、全然懲りない分、クリスタベルの方が徹底してます。
男を踏み台に社交界をのし上がって行く女、クリスタベル
彼女に便乗してちゃっかり社交界を泳いでいく男が、メル・ファーラー演じる画家のガービー
ガービーのちゃっかりぶりもまた痛快で笑える。巧い!可愛い!

脇に回った時のメルの演技力が堪能できるオススメの一品。
豪華なディナーではなく、洒落たお酒の肴といったところか。
巧くて美味い。

ハーイ!ガービーです!

明けましておめでとうございます。

1950年公開映画 「Born to Be Bad」生まれながらの悪女 ニコラス・レイ監督作品

主役のジョーン・フォンテーンとメル・ファーラー
悪女に生まれて1
この作品大好きです。
メルは男の人というより、男の子という格好で登場します。33歳頃かな。
ガブリエル・ブルーム、愛称ガービー、ちゃっかりした性格です。
恋愛もの、メロドラマ、ラストはコメディ?というジャンル。落語のようなオチ付き。
実はコメディもイケるメルがきっちり落として締めてくれます。とっても面白い。悪女ものなのに後味がいい。

タキシード姿はこんな感じ
悪女に生まれて2
日本未公開ですが、日本語字幕付きのDVDが出ています。

マイヤーリング

クリスマスイヴの夜も更けて…今年ももう終わり…
私はジョン・レノンの「ハッピークリスマス」が一番好き。
去年の今頃は「マイヤーリング」公開という嬉しいサプライズがあったっけ…
今年も何かあるといいなあ。
出演者とあらすじを知ったときから「マイヤーリング」のイニシアティブはルドルフ、メルがドラマを引っ張っていくに違いないと思ってました。生放送のドラマはやり直しが効かず相当な演技力が要求されますから。
舞台が大好きだったメルは久々のライブ演技に燃えたでしょうね。

ルドルフは自身のセリフにあるように病んでいる。翳り、疲れ、やつれがある男。
メルにうってつけの適役。
実際の彼はとても健全な精神の持ち主ですが、見かけは…ね。
現世の希望を砕かれ、死に憑りつかれていくメル・ファーラーのルドルフ
悩める貴公子のやつれた顔の凄絶な美しさは想像以上だった。

ただナマ放送の魅力は一度きりの作品だからこそ。
それをスクリーンで上映するって本人的には嬉しいのか悲しいのか、それも劣悪な録画からの映像だし。
私はお芝居が好きで、TVの舞台中継をよく見るけど、実際の舞台とは全然違うものだしなー。
舞台の録画を許さない俳優さんの気持ちは良くわかります。
未見の映画をスクリーンで見たいなあ。

フィルム・ノワール

メル・ファーラーが監督として係わった2本の映画のDVDが発売されます。
「フィルム・ノワール ベスト・コレクション」というシリーズの「マカオ」と「ラケットの」の2本。
殆ど撮影は終わったものの何らかの理由で完成に至らなかった映画…
それに新たなシーンを加え編集をして完成させる監督で、メルの名前はクレジットされてません。
労多くして報われない仕事のようで、便利に使われちゃったでしょうか。
フィルム・ノワールのような社会の暗部を描いた映画は、アメリカ(進駐軍)の意向で日本では殆ど公開されていません。

どのような作品か知りたくてネット予約しました。
来年早々に発売なので、年末に届くかな。